ロシア軍がウクライナの原発を砲撃、ザポリージャ原子力発電所では火災が発生しその後ロシア軍に占拠されました。
ザポリージャ原発はヨーロッパ最大級の原子力発電所といわれ、万が一爆発することになればチェルノブイリ原発の10倍ともいわれています。
ヨーロッパのみならずロシアにも影響が出かねないウクライナの原発を攻撃する理由は何なのでしょうか?
ウクライナにはザポリージャ原発の他にあと何基原子力発電所があるのか、場所はどこなのか、みていきます。
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ロシアがウクライナの原発を攻撃する理由は?
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3月4日未明、ロシア軍がウクライナのザポリージャ原発を攻撃し、火災が発生、ロシア軍によって占拠されました。
ウクライナのゼレンスキー大統領はインスタグラムにロシア軍の砲撃の様子を写した動画をアップし、ヨーロッパは目を覚すべきだ、と主張しました。
ザポリージャ原発には6基の原子炉を有しており、今回のロシア軍の攻撃により1基に砲弾が当たり、火災が起きました。
砲撃された原子炉は現在稼働していませんでしたが、中には核燃料があり、火災、爆発となれば大惨事になったいたといいます。
爆発が起きれば、「チェルノブイリの10倍」といわれるほどの被害が想定されています。
それほどまでの原発をロシアが攻撃する理由はなぜなのでしょうか?
①ウクライナ主要都市の制圧するため
さらに、笹川平和財団の畔蒜泰助(あびるたいすけ)主任研究員は次のように語っています。
基本的にはウクライナの各都市を支配下・コントロール下に置くため
そのために重要な社会インフラである電力供給を制限する狙いがある
ザポリージャ原発はウクライナ国内の5分の1以上の電力を供給しており、ヨーロッパ最大級の原子力発電所といわれています。
さらに、ロシア軍はザポリージャ原発の次に大きな南ウクライナ原発の占拠に動いているという話もあります。
②ウクライナの核開発をでっちあげるため
一橋大学院の秋山信将教授によると、ロシア軍の攻撃は原発を破壊する目的ではないといいます。
ウクライナの風向きは東向き、つまり、ロシアに向いて吹いているため、ザポリージャ原発が破壊されれば放射性雲は西ヨーロッパよりもロシアに被害をもたらすからだということです。
では、なぜ攻撃をしているのか、真の目的は何なのか、防衛研究所の兵頭慎治政策研究部長は次のように語っています。
原発を占拠することによって「ウクライナ側が核開発しようとしてた痕跡があったんだ」という証拠を作り上げて軍事侵攻の正当化を示す狙いもあるのではないか
原子力発電所は何基ある?
出典:インスタグラム
ウクライナにはあといくつ原子力発電所があるのでしょうか。
ウクライナには4カ所の原子力発電所が存在しています。
- ザポリージャ原発(6基)
- 南ウクライナ原発(3基)
- リウネ原発(4基)
- フメリニツキー原発(2基)
ウクライナの発電量の約52%を原子力発電でまかなっており、今回攻撃されたザポリージャ原発は全体の20%を占める原子力発電所でした。
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ウクライナの原発は4カ所15基
ウクライナには4カ所15基の原子力発電所があります。
ロシア軍はザポリージャ原発の次に南ウクライナ原発の占拠を狙っており、ロシア軍の侵攻を防ぐために市民が道路にバリケードを張るなど抵抗しています。
しかし、ロシア軍はバリケードを突破し進行を続けているようです。
原発のある場所は?
出典:「ウクライナの電力・原子力事情」原子力産業協会 2017年6月
ザポリージャ原発
ザポリージャ州エネルゴダル市(右下)
ロブノ原発
ノブノ州クズネツォフスク市(左上)
南ウクライナ原発
ニコラエフ州ユジノウクラインスク市(左下)
フメルニツキ原発
フメルニルキ州ネティシン市(左上)
4カ所の原子力発電所がありますが、ロシア軍は規模の大きな原発から順番に占拠していくつもりのようです。
まとめ
ロシア軍がウクライナのザポリージャ原発を攻撃し、緊張が走っています。
ロシア軍が原子力発電所を攻撃する理由は、①ウクライナ主要都市を制圧するため②ウクライナの核兵器開発をでっちあげるためという見方があります。
一方で、本気で原発を破壊するつもりはないのではないかという見方が強いようです。
ウクライナには4ヶ所15基の原子力発電所があり、ザポリージャ原発の次は南ウクライナ原発の占拠に向かっているという情報もあります。
1日も早く戦争が終わることを願うばかりです。