ロシアが撤退企業を対象に「資産接収」の可能性を示唆しています。
企業の撤退を止めて、経済制裁の影響を緩和する狙いがあると見られていますが、資産接収とはどういう意味なのでしょうか?
ロシアから撤退する企業の資産を接収するということはも出ています。
資産接収とはどういう意味なのか、旅客機も対象になるとどんなことが起きるのか、その影響を見ていきます。
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資産接収とはどういう意味?
「接収」とは国などの権力機関が所有物を強制的に取り上げることをいいます。
今回ロシア経済発展省が草案をまとめているのが、撤退や事業を一時停止している外国企業に対し、裁判所を通じて管理下において設備や資産を接収することができるというものです。
つまり、事業停止、撤退をした企業の所有物を強制的に取り上げられるようになりますよ、という草案です。
接収したものについては、ロシア国内で新たなオーナーに売却し、新しいオーナーが事業を継続できるようになる、というものです。
ロシアにある外資系企業が業務停止や撤退を発表
ロシア国内にあるユニクロやマクドナルド、スターバックスコーヒーなどの外資系企業が一時的な業務停止や撤退を発表してます。
その数はおよそ300社にのぼるといわれています。
これに対しプーチン大統領は次のように発言しています。
撤退する企業には断固たる措置をとるべきだ
企業の撤退によりロシアがダメージを受けることは許されない
業務一時停止や撤退する企業に対して資産接収の可能性に言及したのです。
これにはアメリカのサキ報道官も批判しています。
Any lawless decision by Russia to seize the assets of these companies will ultimately result in even more economic pain for Russia. It will compound the clear message to the global business community that Russia is not a safe place to invest and do business.
— Jen Psaki (@PressSec) March 11, 2022
ロシアの外資系企業への資産接収という無法な決定もいずれさらなる経済的な痛みとなってロシアに返ってくるでしょう
ロシアから撤退した旅客機も対象になる可能性も!
ロイター通信によると、ロシアの航空会社は現在980機を運行していましたが、そのうち515機は外国企業からのリース機だといいます。
このリース会社に対してはEUが3月28日までにロシアでの現行契約の終了を求めており、業務停止となると資産接収の対象となります。
ロシア側は合計数千億円にも上る航空機をリース元に戻さないとしています。
リース機を戻さずに使い続ける場合、故障や点検に必要な部品が手に入らない可能性も出てくると言います。
旅客機の接収が行われた場合、航空機の運航の安全性に懸念が生まれることになりロシア国民にとっても大きな影響を及ぼすことになる見込みです。
ロシアは過去にも「接収」を示唆していた
ロシアが資産接収について示唆しているのは今回が初めてではありません。
2014年にクリミア併合で欧米諸国から経済制裁を受けていた時にも国内の外資系企業を「接収」すると発言していました。
実際には国内からの反発も強く、資産接収が実行されることはありませんでした。
しかし、今回は状況が異なり、実際に資産接収が認められる可能性も高いと言われています。
まとめ
ロシアが事業の一時停止や撤退を発表する企業に対して資産接収を認める草案をまとめています。
資産接収が認められればロシア国内の旅客機も対象になると見られており、ロシア国民にとっても大きな影響を与えることになりそうです。
今後の動向にも注目していきます。